就学時のむし歯(う蝕)予防について

入学シーズンになりました。
小学校1年生はちょうど第一大臼歯(6歳臼歯)の生え始める時期と重なります。この歯は噛み合わせの鍵と言われ、永久歯の中でも特に重要な歯です。

その理由は…

  1. 食べ物を噛み砕く能力が最も高く、噛みしめて力を入れるときに最大の力を発揮します。
  2. 咬み合わせ、歯並びの中心となる歯で、この歯が失われると口の中全体のバランスが崩れ、様々な障害が起きてきます。
  3. 第一大臼歯は生えてきて1年以内で50%、2年で80%がむし歯(う蝕)になってしまいます。このためこの歯の平均寿命は女性で約47歳、男性で約53歳と、永久歯の中で最も寿命が短い歯です。 このように非常に重要な歯ですが、生えだして間もない永久歯は成人の歯とは異なりむし歯になりやすいという特徴があります。 そのため歯を強くする①フッ素の使用②予防的処置③保護者の手伝い磨きなどが重要になってきます。

①フッ素の使用

フッ素の使用については上水道へのフッ化物添加がされていない我が国ではより積極的にフッ素を取り込む必要があります。(虫歯になりにくい歯を形成する上水道へのフッ化物添加は現在37カ国で実施されています。)

フッ素を取り込む方法には、歯科医師または歯科衛生士が年に2〜4回行う高濃度フッ化物歯面塗布法や、低濃度のフッ化物溶液を用い学校や自宅などで行うフッ化物洗口法フッ化物配合歯磨剤の使用などがあります。

②予防的処置(シーラント処置)

歯の溝が深く毛先が届かない場合や清掃がしにくい歯の形態をしている場合など溝を埋める予防充填(フィッシャーシーラント)が行われます。これはフッ素を含有した歯科用のプラスチックやセメントなどで溝を封鎖し、むし歯を予防、抑制する方法です。

③保護者の手伝い磨き

萌出途中の第一大臼歯は、乳歯より背が低いので前から歯ブラシを入れても届きません。 そのため、横から歯ブラシを入れて1本だけゴシゴシ磨きます。また、第一大臼歯の最も予防効果を上げる方法は、萌出直後からの保護者の手伝い磨きです。 手伝い磨きを通じて、歯の大切さや口の中がきれいになった感覚が子供に伝われば、子供の歯磨き習慣は必ず身につくようになります。

大事な奥歯を守るため歯科医院での定期健診をお勧めします。

ページの先頭へ