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抜歯後、夕方になっても血の味が続くときに
親知らずを抜いた日の夕方、唾液に赤みが混じり続けると気になりますよね。実際には、圧迫の当て方と時間を整えることで落ち着いていくケースが多くみられます。この記事では、自宅で今すぐできるガーゼの噛み方、控えたい行動、歯科医院へ連絡する目安を順に整理しました。
この記事の要点まとめ
- 清潔なガーゼを傷口に当て約30分噛み続ける圧迫が、経過を落ち着かせる目安になります
- 強いうがいや長風呂、市販薬の自己判断服用は出血が長引く一因になり得ます
- にじみと湧き出す出血の違いを見極め、続く場合は歯科医院へご相談ください
抜歯後の出血を止める正しいガーゼ圧迫止血の手順と時間
抜歯後の止血を助けるのは、薬でも特別な道具でもなく「傷口を直接押さえる力」です。カギになるのは当てる場所と噛む時間。ここがずれていると、長く噛んでもにじみが続きやすくなります。
清潔なガーゼを傷口に当てて約30分しっかり噛み続ける
まず、清潔なガーゼを2〜3cm角に厚めに折りたたみます。頬側や歯の上ではなく、歯が抜けた穴(抜歯窩)そのものに当たるよう位置を合わせてください。ガーゼが薄いと、圧力が傷口まで届きにくくなります。
セットしたら、上下の歯でぐっと噛み締めます。目安は約30分、途中で外して確認しないことがコツです。「止まったかな」と何度も覗くたびに、固まりかけた血の膜がはがれてしまいます。テレビでも見ながら、時間が過ぎるのを待つ気持ちで過ごしましょう。口腔ケアの基本は、傷口を安静に保つことにあります2。
30分後もにじみが残るなら、新しいガーゼに替えてもう一度30分。これを2〜3回繰り返すうちに落ち着いてくることが多くみられます。
ティッシュ代用を控えたい理由と手元にガーゼがない場合の代用品
ティッシュペーパーは水分を含むと繊維がほぐれ、傷口に張り付きやすくなります。外すときに、できかけた血の塊(血餅)ごとはがれてしまうことがあるため、代用としては避けたいところです。
手元にガーゼがなければ、清潔なコットンや、洗濯した木綿のハンカチを小さくたたんだものが現実的でしょう。もうひとつ知られているのが紅茶のティーバッグ。含まれるタンニンには組織を引き締める働きがあるとされ、水で軽く湿らせて絞ったものを噛む方法が用いられることもあります。ただしあくまで応急的な工夫ですし、衛生面から未使用のものをお使いください。
ガーゼを長時間噛みすぎることのデメリットと注意点
「長く噛むほど良い」と思われがちですが、数時間も噛み続けるのは考えものです。時間が経つと、できあがった血餅がガーゼの繊維に絡みつき、外した瞬間に一緒に持ち上がってしまうことがあります。
顎の筋肉が疲れて圧が弱まれば、押さえているつもりで押さえられていない状態にもなりかねません。30分ごとに区切り、必要なら新しいものに替えるというリズムのほうが、結果的に落ち着きやすい傾向があります。外すときは、ゆっくり横方向に引き抜くようにしてください。
止血を妨げるNG行動とよくある誤解
出血が長引く背景には、良かれと思って行った行動が関わっていることも少なくありません。抜歯当日は「傷口をそっとしておく」が基本の考え方になります。
気になって口を強くすすぐ「うがいのしすぎ」は逆効果
血の味が気になると、つい何度も口をゆすぎたくなります。ただ、強いうがいは傷口にできかけた血餅を洗い流してしまう行為。血餅は骨や神経を覆うかさぶたのような役割を担っており、これが失われると治りが遅れ、ドライソケットと呼ばれる強い痛みを伴う状態につながることがあります。
当日は、水を口に含んでそっと吐き出す程度で十分。うがいは「ゆすがない」くらいの気持ちがちょうどよい加減です。なお、口の中のゼリー状の血の塊をうっかり飲み込んでも、体調に影響が及ぶことは通常まれとされています。慌てて吐き出そうとするほうが、かえって刺激になります。
血液循環を促す長風呂・飲酒・激しい運動の制限
体温が上がって血流が盛んになると、いったん落ち着いた傷口から再びにじみ出ることがあります。抜歯当日の湯船につかる入浴は控え、シャワーで手短に済ませるのが無難でしょう。飲酒や激しい運動、サウナも同じく翌日以降へ回してください1。
小さなお子さんの世話で動き回る日は、抱っこや前かがみの姿勢も頭部に血が集まりやすくなります。可能な範囲で、座って過ごす時間を意識的に作ってみてください。
市販鎮痛薬の自己判断服用とアスピリン成分への留意点
痛みがつらいと、家にある市販薬に手が伸びるかもしれません。けれども鎮痛薬の中には、アスピリン(アセチルサリチル酸)のように血液が固まりにくくなる性質を持つ成分を含むものがあります。抜歯直後の服用は、出血が長引く一因になり得ます。
基本は、歯科医院から処方された痛み止めを指示どおりに服用すること。持病で抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用中の方は、抜歯前の問診でお伝えいただいているかと思いますが、気がかりな点があれば遠慮なくご相談ください。当院では歯科用CTによる事前の把握や、笑気吸入鎮静法など負担に配慮した処置を組み合わせ、術後の経過にも目を配っています。
通常の経過と再受診が必要な出血の判断基準
もっとも気になるのは「これは様子を見てよい出血なのか」という点ではないでしょうか。判断のものさしを持っておくと、夜を迎える気持ちがずいぶん軽くなります。
唾液に血が混じる「にじみ」とドクドク溢れ出る出血の違い
唾液はわずかな血液が混ざるだけで、驚くほど赤く見えるもの。抜歯した当日から翌朝にかけて、唾液がピンク色や薄い赤色を帯びる、朝起きたら枕に少し血の跡がある——この程度なら、経過としてよくみられる範囲です。血の味が残るのも同じ理由によります。
一方、注意して観察したいのは次のような状態です。
- ガーゼを30分噛む処置を3回ほど繰り返しても、鮮やかな赤い血が同じ勢いで流れ続ける
- 口の中に大きな血の塊が次々にたまり、飲み込んでも追いつかない
- 傷口から拍動に合わせて血がにじみ出ているのがわかる
にじみと湧き出しの違いが、判断のいちばんの目安になります。なお、横向きや骨に埋まった状態の親知らずを抜いた場合は、傷口が大きく出血がやや長引く傾向があります2。
就寝時に血流を落ち着かせる姿勢の工夫
夜になると出血が気になるという声はよく聞かれます。横になると頭部の位置が心臓と近くなり、傷口周辺の血流が増えるためです。
対策はシンプルで、枕を1つ足して頭をやや高く保つこと。クッションを背中の上部から入れ、上半身を軽く起こす姿勢も役立ちます。寝る前に新しいガーゼで一度圧迫しておく、枕にタオルを敷いて汚れを防いでおく。こうした準備があると、気持ちの面でも落ち着いて休めます1。
夜間・休日に改善しない場合の相談先と受診の目安
ガーゼ圧迫を繰り返しても勢いのある出血が続く、めまいやふらつきを感じる。そんなときは自己判断で耐えず連絡してください。診療時間内であれば、遠慮なく佐々木人吉駅歯科(0966-22-3003)までお電話を。「こんな時間に申し訳ない」と我慢される方が多いのですが、状態を伺って助言できるほうが、私たちとしても落ち着いて対応できます。
診療時間外は、救急電話相談「#7119」や、お住まいの地域の夜間休日急病診療所が窓口になります。迷ったときの連絡先として、番号を控えておくと心強いはずです1。
当院では、患者さんにご納得いただいたうえで治療を進めることを大切にしており、抜歯後の過ごし方についてもチェアーのモニターを使って丁寧にご説明しています。処置後の経過で気になることがあれば、いつでもご相談ください。
よくある質問
Q1. 歯を抜いた後、出血が続くときはどうしたらよいですか?
A. まず清潔なガーゼを厚めに折りたたみ、歯が抜けた穴に直接当てて約30分間しっかり噛み続けてください。途中で確認せず、時間を守るのがポイントです。変化がなければ新しいガーゼで再度圧迫し、それでも勢いのある出血が続くようなら歯科医院へご連絡ください。
Q2. 抜歯後、何時間で出血が落ち着きますか?
A. 個人差はありますが、圧迫止血によって30分〜1時間程度で落ち着いていくことが多いとされています。その後も唾液に薄く血が混じる状態が当日から翌朝まで続くのは珍しくありません。にじむ程度であれば、経過としてよくみられる範囲と考えられます。
Q3. 抜歯後に出血が続く場合は縫うのですか?
A. 状態によります。圧迫で落ち着かないとき、歯科医院では止血剤を含む材料を傷口に入れる、縫合を追加するといった処置を選ぶことがあります。どの方法を取るかは傷口を確認したうえでご説明しますので、まずはご相談ください。
Q4. 抜歯後の出血で体調に影響が出ることはありますか?
A. 通常の抜歯後のにじみで大きな支障に至ることは、一般的にはまれとされています。ただし持病や服用中の薬によっては出血が長引く場合もあり、ふらつきや顔色の変化を感じるときは早めに医療機関へご相談ください。
Q5. 子どもの乳歯が抜けた後の出血も同じ対処でよいですか?
A. 基本的な考え方は同じで、清潔なガーゼを噛ませて圧迫します。ただし小さなお子さんは長く噛み続けるのが難しいため、保護者の方が頬の外から軽く支えてあげるとよいでしょう。ガーゼの誤飲にも注意し、落ち着かないようなら歯科医院へご相談ください。
参考文献
1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/
2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth
奥羽大学歯学部 卒業
福岡市博多駅前 (医)渡辺歯科口腔外科副院⾧
2009年
佐々木歯科医院 勤務
2020年
佐々木人吉駅歯科 開業
日本口腔インプラント学会認定
口腔インプラント専門医 615号
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導歯科医
日本歯科放射線学会認定医 410号
【所属学会】
福岡TIP-EDGE(歯列矯正)研究会
日本歯科放射線学会
日本口腔インプラント学会
日本顎顔面インプラント学会
福岡口腔インプラント研究会
天神インプラントペリオ研究会
日本臨床歯周病学会
日本顎咬合学会
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